不動産の個人間売買における相談のために銀行に出向くと、ほぼ必ずと言っていいほど「重要事項説明書」の提示を求められます。そのため、不動産業者が取引の間に入っていなければそもそも取り扱ってもらえない、ということも珍しくはありません。
では、なぜ銀行は不動産の個人間売買時に重要事項説明書を求めるのでしょうか。この記事では、その理由と背景にある法律上の仕組みについてわかりやすく解説します。
宅地建物取引業法では、賃貸契約や売買契約を締結するまでの間に、不動産会社は取引の相手方に対して当該物件に関する重要事項の説明をすることが義務付けられています。重要事項説明書は不動産の売買契約や賃貸借契約を締結する前、つまり契約前の時点で、宅地建物取引士が記名し、相手方に交付する書面のことを指します。
なお、重要事項説明書をもとに、宅地建物取引士は口頭で相手方に対して説明を行わなければなりません。このことを重要事項説明(以下、重説)といいます。重要事項説明書には大きく分けて以下の2点が記載されています。
それぞれの事項について、事前に確認していた情報と相違がないかどうか、その他気になることはないかなど、しっかり確認しながら聞くことが大切です。重説を聞き終えるまでにそれなりに時間を要することから、途中で飽きてしまったり、聞くのが嫌になったりするかもしれません。
ですが、不動産の取引において外すことのできない重要なポイントが多々含まれていることから、要点を押さえつつしっかりと聞くようにしましょう。
個人間売買の相談をしに銀行へ出向いた際、ほぼ必ずと言っていいほど銀行はあなたに対して「重要事項説明書」の提示を求めるでしょう。なぜ、銀行はローン申請において重要事項説明書を要求するのでしょうか。
誤解している方も多いかもしれませんが、一般的に不動産は個人間でも有効に売買契約を締結することが可能です。
とはいえ、個人間売買においては専門知識のない当事者同士の取引であることから様々なトラブルが生じやすく、注意が必要です。そのため、多くの方が住宅ローンを提供してもらうために銀行へ足を運びます。銀行側からすれば、あなたが売買する予定としている土地や建物は基本的に全く知らないものです。
そこで、銀行側が土地や建物の現況を知るために必要な事項がすべて記載されているのが、「重要事項説明書」ということになります。重要事項説明書には登記簿に記載された事項はもちろんのこと、法令に基づく制限やガスや電気、道路を始めとしたインフラの整備状況、そして宅地造成または建築構造など、建物の形状や構造が詳しく記載されています。
また、契約の解除条件や金銭の取り決めなど、契約後のトラブルになりやすいお金に関する事項も含まれています。重要事項説明書を元にローン審査の手続きをしているといっても過言ではないほど、当該説明書は銀行にとって非常に大切な書類となるのです。
銀行側は重要事項説明書の提示がない個人間売買の相談を受け付けていないケースがほとんどです。仲介業者を通さずに直接打診すると、その記録が残り、後から仲介業者を通して再申請しても不利に働く場合があります。まずは専門家にご相談ください。
宅地建物取引業法により、重要事項説明書は業者免許を持つ「宅地建物取引業(以下、宅建業)」の従事者が作成することと規定されています。ここでいう宅建業とは、次の行為を業として行う者のことを指します。
当然、不動産業者もここに含まれています。不動産業者を始めとした宅建業に該当する業者は、業者免許を取得するにあたって法務局に営業保証金を供託しています。
想定外のトラブルが起きて、宅建業者が代金を支払えない事態に陥ってしまった場合でも、この供託しておいた保証金の中から弁済を受けることができます。
それだけ、不動産を扱うというのは非常に責任が大きいことであり、その中で「重要事項説明書」の説明及び交付が求められることから、重要事項説明書を扱えるのは宅建業者だけに限られています。
宅地建物取引業者が営業を開始する前に、法務局へ供託することが義務付けられている金銭です。金額は主たる事務所につき1,000万円、従たる事務所につき500万円と定められています。なお、宅地建物取引業保証協会に加入している業者は、弁済業務保証金分担金の納付により供託が免除されます。
重要事項説明書は宅建業に該当しないと扱えないと先に述べましたが、この重要事項説明書を実際に作成し、取引の相手方に対して説明するためには「宅地建物取引士(以下、宅建士)」という有資格者でなければいけないとされています。
宅建士は不動産会社の事務所ごとに、業務に従事する者5人に1人以上の割合で設置しなければならないと決まっており、不動産会社には宅建士が在籍していることになります。
そのため、個人間売買においてローンを組むためには重要事項説明書を用意しなければならず、その説明を受けるためには宅建士が必要で、その宅建士は不動産会社に在籍しているとなれば、銀行側としても「まずは不動産業者を通してください」と言うでしょう。
個人間売買で手間と時間がかかって面倒だと感じるかもしれませんが、不動産という金額の大きなものを扱う取引だからこそ、しかるべき手順をきちんと踏むことが大切です。順序を守ることは、万が一の際のトラブルからあなた自身の身を守ることにもつながります。
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