人生において、大きな買い物ともいえるマイホームとマイカー。マイカーローンを返済しながら、マイホームの購入を検討している方も多いかもしれません。
マイカーローンと住宅ローンは併用できないわけではありませんが、マイカーローンの残債があることは住宅ローンの審査において不利に働く恐れがあるため注意が必要です。この記事では、マイカーローンの残債が残っている状態で住宅ローンの利用を検討している方に向けて、覚えておいてほしいことを解説します。
結論から言えば、マイカーローンの残債があっても不動産の購入は可能(=住宅ローンの借入は可能)です。
いずれのローンも「融資限度額は年収の3分の1以内」とする総量規制の適用対象外とはなりますが、借入上限がないわけではなく「年収に対するローン返済額が一定割合を超えてはいけない」という制限があります。
この制限のことを「返済比率」といい、住宅ローンとマイカーローンを併用する際は注意しなければなりません。
先に述べたように返済比率とは「年収に占める返済額の割合」のことで、以下の計算式によって求められます。
返済比率(%)= 年間返済額 ÷ 額面年収(総支給額)× 100
仮に、額面年収500万円の方が年間返済額120万円(毎月返済額10万円)でローンを組むとすると、返済比率は24%となります。金融機関はさまざまな観点から住宅ローンの提供を検討しますが、検討項目のひとつに上記で求められた返済比率が含まれています。
ここでは例として、「フラット35」の基準を挙げてみました。
| 年収 | 400万円未満 | 400万円以上 |
|---|---|---|
| 返済比率基準 | 30%以内 | 35%以内 |
注意点としては上記の返済比率基準とはあくまで基準であり、無理なく返済できる値を示しているわけではありません。
先ほどの例でいえば、年収500万円の方がフラット35における返済比率上限である35%まで借り入れると、年間返済額は175万円になります。単純計算でひと月あたり約14.6万円を住宅ローンに充てなければならないことになり、年収から考えてもなかなか苦しい状況だといえるでしょう。
そのため、現状と照らし合わせて無理なく返済ができるプランを組むことが大切です。また、フラット35ではなく一般の住宅ローンを金融機関で借り入れる場合、金融機関ごとに返済比率が異なるため、前もって確認しておくようにしてください。
掲載している返済比率の基準や金利は、記事作成時点のものです。
制度や商品内容は変更される場合がありますので、最新の情報は各金融機関の公式サイトでご確認ください。
マイカーローンの残債がある状態で住宅ローンに申し込んだ場合、まず銀行はマイカーローンにおけるこれまでの返済状況を確認します。
その時点でマイカーローンの返済に遅延や滞りがあれば、支払い能力に不安があると判断され、希望する金額で住宅ローンを借り入れることが難しくなります。
また、マイカーローンと住宅ローンの両方を借り入れた際の返済比率が高くなると、長い期間の返済になんらかの支障が生じる可能性があると判断されても不思議はありません。
マイカーローンを既に借りている方は、住宅ローンの借入可能額に影響が出る可能性があることは先に述べた通りです。では、マイカーローンがある場合に借入限度額はどの程度変わってくるのでしょうか。
ここでは先ほどのフラット35の例をもとに、毎月一定のマイカーローンがある場合とない場合でその差を見ていきましょう。
| 毎月の返済額 | 借入可能額 | |
|---|---|---|
| マイカーローンなし | 14.6万円 | 4,345万円 |
| マイカーローンあり | 14.6万円
(うち4万円がマイカーローン)
|
3,153万円 |
上記を見てもわかるように、マイカーローンがあるかないかで借入可能額に約1,200万円近い差が生じています。
今回はマイカーローンだけを考慮しましたが、もし他にもローンを抱えていた場合にはさらに借入可能額が少なくなることを覚えておいてください。
また、上記は返済比率が35%以内で計算されていますが、実際に無理なく返済を続けていくためには返済比率を20~25%程度に抑えるのが理想とされています。
では、「マイカーローンがあるけれど、不動産を購入したい」と考えている場合はどうしたらよいでしょうか。
結論としては借入可能額を増やす、つまり住宅の購入予算を少しでも希望額に近づけるために、住宅ローンの申請前にマイカーローンを返済し終えてしまうことをおすすめします。マイカーローンは住宅ローンと比べて金利が高く設定されていることが多いため、先に返済を終えることで月々の返済負担額を減らせるでしょう。
なお、マイカーローンを金利の低い住宅ローンの中に組み込みたいと考える方もいるかもしれませんが、そもそもの用途が異なるため2つのローンをまとめることはできないので注意してください。
マイカーローンを一括返済するために手元資金を使い切ってしまうと、住宅購入時の頭金や諸費用が不足する可能性があります。どちらを優先すべきかは資金計画全体を見て判断する必要がありますので、専門家にご相談のうえお進めください。
今回は、住宅ローンの審査時にマイカーローンの残債が残っている場合の留意事項についてお伝えしました。
マイカーローンの残債があっても住宅ローンの借入は可能ですが、借入可能額が減るなどいくつかの点で注意が必要となります。目先の返済比率だけに捉われず、現状の資金計画を今一度見直し、無理のないローンを組むようにしましょう。
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