不動産を個人売買するための基礎知識
不動産の個人売買の手続きの流れ
仲介手数料・必要書類・注意点
当社には「親子間で家を売買したい」「知り合いから不動産を直接購入したい」というご相談を日々お寄せいただいています。不動産の個人売買は、確かに仲介手数料を大幅に抑えることができる魅力的な取引方法です。しかし、一方で「本当に安全に取引できるの?」「どんな手続きが必要なの?」といった不安をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
実際のところ、個人売買には通常の不動産取引にはない特有の注意点があります。親子間売買・親族間売買・知人間売買・元夫婦間売買・大家さんとの直接売買など、お取引の背景はさまざまですが、いずれのケースでも住宅ローンの手続きや売買契約書の作成、登記手続きなど、専門的な知識が欠かせません。「知り合い同士だから大丈夫」と思って進めた結果、後々トラブルになってしまうケースも残念ながら存在します。
この記事では、不動産業界で20年以上の経験を持つ当社(神奈川県知事(6)第23443号)が、安全で確実な個人売買を実現するための基本知識から具体的な注意点まで、初心者の方にもわかりやすくご説明いたします。
この記事がおすすめな人
- 親子間や親族間で不動産の売買を検討している方
- 知人や友人から直接不動産を購入したい方
- 離婚に伴う財産分与で不動産の売買が必要な方
- 仲介手数料を節約して不動産取引を行いたい方
- 個人売買で住宅ローンを利用したい方
- 不動産の個人売買に関する正確な情報を知りたい方
- 他社で個人売買を断られた経験がある方
- 個人売買のリスクと対策について詳しく知りたい方
- 専門家のサポートを受けながら安全に取引したい方
不動産の個人売買とは
不動産の個人売買とは、不動産仲介業者を介さずに売主様と買主様が直接お取引を行う売買方法のことです。具体的には親子間売買・親族間売買・知人間売買・元夫婦間売買などが挙げられます。これらの取引では、すでに売る相手・買う相手が決まっているため、物件探しや購入者探しの必要がありません。そのため、多くの方が「仲介業者を通さなければ、仲介手数料を丸々節約できるのでは?」とお考えになることは自然なことです。
確かに、通常の不動産売買では売主様・買主様それぞれが仲介手数料をお支払いいただく必要がありますが、個人売買であればこの費用を削減できる可能性があります。100万円以上になることが少なくない仲介手数料ですから、節約できるメリットは大きいといえるでしょう。
ただし、ここで重要なのは「極端に費用を削減すると、取引のリスクが高くなる」という点です。仲介業者が行っていた専門的な手続きをすべて当事者の方々で実施したことによって「手数料を節約したかっただけなのに、結果的に大きな損失を被ってしまった」ということになっては本末転倒です。
そのため、安心・安全な個人売買を実現するためには、メリットとデメリットを正しく理解した上で、慎重な判断と十分な準備が不可欠となります。
不動産取引で個人売買が選ばれる代表的なケースとは
個人売買が選ばれる代表的なケースとして、当社へお寄せいただくよくあるご相談内容をご紹介します。
- 相続した実家が空き家のままなので、親族である甥へ売却したい
- 隣の家の土地の一部を買い取り、自分の敷地にしたい
- 元夫名義のマンションに住んでいるが、子供との生活の将来を見据えて買い取りたい
- 遠方へ転居することになったので、現在の住まいを知人へ売りたい
- 賃貸契約で居住中のマンションが気に入っているので、大家さんから買い取りたい
- 父が実家の住宅ローンの返済が厳しい状況であるため、娘である自分が実家を買い取りたい
- 会社の社宅として居住中のマンションに将来に渡って暮らしたいので、個人名義への変更を目的に買いたい
- 相続対策として現在所有している投資用マンションを息子へ売却したい
- 個人間取引専門のポータルサイトで良い物件を見つけたので購入したい
当社ではいずれもサポート可能なケースですが、これらをご自身ですべて進める場合はさまざまな注意点があり、中にはどうしても専門家のサポートが不可欠な手続きも発生する場合があります。
不動産を個人売買するメリット・デメリット
不動産の個人売買には大きなメリットがある一方で、専門知識不足によるリスクも存在します。適切な知識と準備があれば安全で有益な取引が可能ですが、デメリットを理解した上で慎重に進めることが重要です。ここでは個人売買の具体的なメリット・デメリットをご紹介いたします。
不動産を個人売買するメリットとは?
- 取引対象の物件が決まっているので物件を探す手間が発生しない
- 売主と買主が直接交渉できるため、あらゆる調整がしやすい
- 引渡し時期を柔軟に設定しやすいため、仕事やプライベートとの調整がしやすい
- 立地や環境について売主に詳しく聞ける、もしくは既に知っている場所なので環境の心配が少ない
- 現金一括払いで売買する場合は仲介手数料が発生しないケースがあり、節約できる
不動産を個人売買するデメリットとは?
- 親しい間柄同士であるため、約束事がルーズになり売主・買主間で「言った・言わない」の揉め事が起きやすい
- 仲介業者を通さないと住宅ローンの利用ができない
- 契約書の不備による法的問題の可能性がある
- 物件調査の不足で隠れた欠陥を見逃すリスクがある
- 法的手続きのミスによる深刻な問題発生の可能性がある
- 調査不足により、権利上の問題などで売主の親族とのトラブルになる場合がある
- 相場よりも安い物件価格で取引した場合、贈与税が発生する可能性がある
- マンションの場合、修繕積立金や自治会費などの支払い状況において未納が発覚し、トラブルになる場合がある
上述のとおり、不動産の個人売買は仲介手数料の大幅削減や取引条件の柔軟性など魅力的なメリットがある一方で、不動産や法律に関する専門知識不足によるトラブルリスクも高い取引方法です。契約書の不備や物件調査の不足、住宅ローン利用の困難さなど、様々なデメリットも存在するため、安易に進めることは危険です。
しかし、適切な専門家のサポートを受けることで、これらのリスクを大幅に軽減し、メリットを最大限に活かすことが可能になります。たとえば当社のような個人売買専門の不動産業者を活用すれば、一般的な仲介手数料よりも安価な費用で、安全で確実な取引を実現できます。個人売買を検討されている方は、まず私たちのような個人売買の専門家に相談し、十分な準備を整えた上で取引を進めることをお勧めします。
不動産個人売買の流れと手順について
不動産の個人売買の代表的な流れをご紹介します。個人売買の手続きの流れは内容に準じて順番が前後したり、追加の作業が発生する可能性があります。そのため、余裕をもったスケジュールを組むようにしましょう。なお、当社の経験上、多くの場合はご相談から物件の引渡しが完了するまでは2~3ヶ月を要するケースが多いです。
個人売買はお互いが知り合い同士であることから各種調整がしやすいメリットがある一方で、そのメリットによって「知り合い同士だから」とスケジュール変更が起きやすい傾向もあります。進行がルーズになってしまうと、いつまでも取引が成立しません。そのため、進行が不安な場合は不動産の専門家によるサポートを積極的に利用されることをおすすめいたします。第三者が進行を担うことで円滑な売買取引を実現できます。ぜひご検討ください。
不動産を個人売買する際の全体的な流れ
- 売買価格の設定
- 売買取引に関するスケジュール確認(物件調査にかかるスケジュールの確認・お引渡し時期の調整など)
- 銀行・金融機関への事前審査を依頼(住宅ローンを利用する場合)
- 物件の詳細調査(法令上の制限や権利関係の確認など)
- 重要事項説明書・売買契約書を作成(重要事項説明書は仲介業者だけが作成可能)
- 金融機関への本審査を申し込み
- 売買契約の締結
- 所有権移転登記の手配・測量の実施(必要に応じて)
- 物件の引渡し
この一連の流れは通常2~3か月程度かかることを目安にしましょう。また、各ステップでは専門的な知識と慎重な対応が求められます。個人売買であっても手続きの複雑さは一般的な仲介取引と変わらないため、トラブルを回避したい方・時間に余裕がない方・専門知識に自信がない方は仲介業者への相談がもっとも安心でスムーズです。
「不動産個人間売買サポートPRO」では個人売買専門のお得なプランをご用意しています。通常の仲介業務と同じ手厚いサポートを大変お得な費用でご利用いただけます。たとえば、住宅ローンご利用可能な「おまかせ仲介プラン(Eプラン)」をご利用の場合は売主様・買主様あわせた仲介手数料が30万(税込33万)~と、一般的な仲介手数料と比べてお幅に安い手数料でサポート可能です。ぜひご検討ください。
不動産を個人売買する際に契約書は必要?
個人売買でもかならず契約書を作成しましょう
不動産売買契約書は個人売買で最も大切な書類の一つで、後々のトラブルを避けるために欠かせない書類です。個人売買だからと契約書なくお話を進めてしまった場合、将来的に想定外のトラブルに巻き込まれるリスクがあります。また、法律上は不動産売買契約書を売主・買主ご自身で作成することもできますが、不動産取引には専門的な知識が求められる項目が数多く含まれているため、専門家に作成を依頼することが安心・安全な取引を成功させるポイントとなります。
不動産売買契約書に記載すべき内容とは?
- 売主・買主の基本情報(氏名・住所・連絡先など)
- 物件の詳細情報(所在地・面積・構造・築年数など)
- 売買代金・手付金などの具体的な支払方法と支払い期限
- 物件の引渡し日と所有権移転時期
- 手付金・違約金に関する金額と取り決めの内容
- 契約不適合責任の範囲と期間
- 固定資産税・都市計画税の精算方法
- 抵当権の有無と抹消処理方法
不動産売買契約書の作成時の注意点について
- 無料テンプレートの利用や自作フォーマットによる契約書作成は不足事項が多く発生するリスクがある
- 不動産の専門家による確認作業が発生しない場合は、重要な事項の見落としが起きる可能性がある
- 住宅ローンを利用する場合、取引者が作成した書類は銀行・金融機関が正当な契約書として扱わない
- 売主もしくは買主側が著しく有利な内容で記載した場合、後から深刻なトラブルへ発展する可能性がある
- 支払い期限や引き渡し日のスケジュールを記載しない場合、進行が滞るため揉め事になりやすい
不動産売買契約書に不備があると、後々深刻なトラブルの原因となってしまいます。そのため、費用はかかりますが不動産業者や行政書士といった専門家に依頼することをおすすめします。専門家が作成した契約書があることで、取引の安全性が格段に高まり、売主・買主双方の権利や義務がはっきりと守られますので、ぜひご検討ください。
私たち「不動産個人間売買サポートPRO」では不動産売買契約書だけを作成する割安なプラン「個人売買向け・不動産売買契約書作成プラン(Aプラン)」から、契約書作成から住宅ローンの審査手続き、その他の売買取引に関わる業務を含めたトータルサポートプラン「不動産個人売買おまかせ仲介プラン(Eプラン)」まで多様なサポートをご用意しています。お客様のご要望に応じて柔軟なサポートをご提供可能です。ぜひご利用ください。
不動産を個人売買をする際の登記手続きについて
不動産の個人売買をした後は所有権移転登記が必須となり、法務局での手続きが発生します。手続きには書類の準備や司法書士への依頼など、多くの手続きや調整を行う必要があります。
登記申請に必要な書類とは?
- 登記申請書
- 登記原因証明情報(不動産売買契約書など)
- 固定資産評価証明書
- 印鑑証明書
- 住民票の写し
- 本人確認資料(運転免許証など)
などの書類が必要になります。書類を集める作業は意外と探す手間や不足時の追加作業など、時間を要する傾向があるため、余裕を持ったスケジュールを組むことをおすすめします。
登記申請は司法書士への依頼が発生します
登記手続きは法的な専門知識を要するため、多くの場合は司法書士に依頼することが一般的です。また、司法書士への報酬として5~10万円程度の費用が発生することも覚えておきましょう。
登記の申請は売買契約締結後速やかに行う必要があり、住宅ローンを利用する場合は金融機関の指定する司法書士が手続きを代行するケースもあります。また、登記が完了して初めて法的に所有権の移転が確定するため、この手続きを怠ると重大なリスクを負うことになります。
私たち「不動産個人間売買サポートPRO」では信頼のおける司法書士のご紹介もご紹介料無料で承っています。個人売買に理解のある司法書士へ依頼することで、よりスムーズな進行をご提供できます。また、当社がお客様の代わりに手続きの調整を行うため、登記に関する専門的な知識の不足によるトラブルを回避することができます。ぜひご相談ください。
不動産個人売買に必要な書類一覧
不動産の個人売買を行う際には、様々な書類の準備が必要になります。書類の不備があると取引が進まなくなったり、後々トラブルの原因となることもあります。ここでは、売主・買主それぞれが用意すべき書類について詳しく解説します。
売主側の必要書類とは
売主として物件を売却する際に準備すべき代表的な書類は以下の通りです。これらの書類は物件の所有権や状況を証明するために不可欠です。これらの書類を用意することによって、取引の透明性と安全性が確保され、買主に対して物件の正確な情報を提供することができます。
登記簿謄本(登記事項証明書) | 物件の現在の所有者や権利関係を証明する最も重要な書類です。法務局で取得可能。 |
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固定資産税納税通知書 | 物件の評価額や税額を確認するために必要です。売買価格の妥当性を判断する材料としても活用します。 |
印鑑証明書 | 所有権移転登記の際に必要です。発行から3か月以内のものを用意します。 |
本人確認書類 | 運転免許証やパスポートなどを用意します。 |
これらの他にもマンションの売買をする際は、管理規約・修繕積立金の支払い状況を示す書類・管理費の領収書・総会議事録(必要に応じて)などが必要になります。
買主側の必要書類とは
買主として物件を購入する際に準備すべき代表的な書類をご紹介します。特に住宅ローンを利用する場合は、追加の書類が必要になることが多く、中には不動産仲介業者だけが作成できる「重要事項説明書」のような、ご自身で作成することができないものが含まれる点に注意しましょう。
住民票 | 所有権移転登記の際に新所有者の住所を証明します。 |
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印鑑証明書 | 登記手続きで使用。発行から3か月以内のものを用意する必要がある。 |
本人確認書類 | 運転免許証やパスポートなど |
住宅ローン利用時の追加書類
- 収入証明書
- 源泉徴収票
- 確定申告書
- 勤務先の在籍証明書
- その他金融機関指定の書類
売主・買主共通で用意すべき書類
売主・買主共通で用意すべき書類をご紹介します。取引内容により、必要書類が異なるケースがありますが、いずれの書類も準備には時間がかかるため、できるだけ早めに取りかかることが重要です。特に役所や法務局から取得する書類は数日から数週間を要する場合があります。書類の準備方法や取得先に不安がある場合は、私たち不動産業者にご相談いただくことで、スムーズで安全な取引を実現できます。ぜひご相談ください。
契約に関連する書類
- 不動産売買契約書
- 領収書
物件に関連する書類
- 測量図(測量が必要な場合)
- 境界確認書(境界の確認が必要な場合)
精算に関連する書類
- 固定資産税や都市計画税の精算に関する書類
- 公共料金の精算書(取引完了時に必要な場合)
不動産を個人売買する時に住宅ローンは利用できる?
個人売買で住宅ローンのご利用は可能。ただし難易度は高いです。
不動産の個人売買をご検討中の方から、「住宅ローンって使えるんですか?」というご質問を非常に多くいただきます。答えは「利用可能です」。ただし、通常の不動産仲介を通した売買と比べて、手続きの難易度が格段に上がることは事実です。
個人売買でも金融機関は融資を行ってくれますが、そこにはいくつかの条件があります。まず理解していただきたいのは、どれほど親しい間柄での取引であっても、住宅ローンを利用する際は必ず不動産業者の介入が必要になるということです。詳しくご紹介していきます。
住宅ローン審査には重要事項説明書が必須
個人売買で住宅ローンの難易度が高くなる最大の理由は、金融機関が融資条件として「重要事項説明書」の提出を義務付けているからです。この重要事項説明書は、宅地建物取引士という国家資格を持った専門家のみが作成できる書類となっています。
つまり、親子間や知人間での売買であっても、住宅ローンをご利用になる場合は、必ず宅建業者にサポートを依頼しなければならないのです。つまり、「不動産業者を通さずに住宅ローンを組む方法」は残念ながら存在しないという事になります。
個人売買に理解のある銀行・金融機関は限定的です
実際に個人売買での住宅ローンを取り扱ってくれる金融機関を見つけるのは、想像以上に困難です。多くの銀行では「個人売買はお取り扱いできません」と門前払いされてしまうケースが珍しくありません。住宅ローンの事前審査の申込みはご自身で進めることができますが、本審査を依頼するには必ず仲介業者の介在を求められます。
特に親子間売買や親族間売買の場合、金融機関側のリスク判断がより慎重になるため、審査のハードルはさらに高くなります。当社へご相談いただくお客様の場合、複数の金融機関を回り、すべて断られてしまったというケースが非常に多いです。
したがって、手当たり次第に複数の銀行へ相談しても仲介業者を通さない限り、住宅ローンは利用できませんので、はじめから個人売買の経験豊かな不動産業者に相談することが効率的且つ賢明だと言えるでしょう。
当社では、個人売買特有の住宅ローンに関する課題を解決するため、専用の住宅ローンデスクを設置しております。長年の経験と金融機関との信頼関係により、他の不動産業者では「融資は難しい」と断られてしまうような複雑なケースでも、数多くの融資実現をサポートしてまいりました。「もう諦めるしかない」とお考えになる前に、ぜひ一度当社までご相談ください。業界歴20年以上のベテランスタッフが、お客様のご事情に合わせた最適な解決策をご提案いたします。
不動産を個人売買する際に銀行審査で不利になるケースとは?
個人売買で住宅ローンを申し込む際、「なぜ審査に通らないのだろう」とお悩みになる方は少なくありません。実は、個人売買ならではの理由で審査が不利になってしまうケースがいくつかあります。事前に知っておくことで、これらのリスクを回避できますので、ぜひ参考にしてください。
1.重要事項説明書がない場合
銀行・金融機関は融資を希望されるお客様に対して、不動産仲介業者だけが作成できる「重要事項説明書」の提出を必ず求めます。「個人売買だから必要ないのでは?」「仲介業者に依頼する必要はないのでは?」と思われがちですが、銀行・金融機関側は売主様・買主様両者のご属性・信用情報・将来にわたる信頼性を重視し、また融資の担保として機能する物件の詳細な情報を把握する必要があります。
そのため、ご本人様以外の証人として不動産の専門家である仲介業者の介在を求め、「重要事項説明書」を作成~提出する手続きが発生します。この「重要事項説明書」がない限り、住宅ローンを利用することは出来ませんので、個人売買であっても必ず仲介業者へサポートを依頼しましょう。
2.売買契約書をご自身で作成した場合
売買契約書をご自身で作成しても、銀行は取り扱ってもらえません。基本的に銀行・金融機関は売主様・買主様ご自身で作成された契約書を正式な書類として受領しません。なぜなら、銀行は高額な融資を提供するにあたって、不正に利用されることを避けたいからです。もし、不動産業者が作成した契約書があれば、「この取引は大丈夫なのか?」と疑問を持ってしまいます。金融機関にとって契約書は融資判断の重要な材料ですから、不備があれば審査通過は困難になります。
3.売買価格が相場とかけ離れている場合
個人売買でよくあるのが、「お世話になったから安く譲ってもらう」「親子だから格安で」といったケースです。お気持ちは理解できるのですが、市場価格から大きく離れた価格設定は、金融機関にとって担保価値の判断を難しくしてしまいます。特に親族間での売買では、税務上「贈与」とみなされるリスクもあるため、適正価格での取引であることをしっかりと証明する必要があります。
なお、私たち「不動産個人間売買サポートPRO」では、サポートをお申し込みのお客様へ物件価格の設定サポートを無料でご提供しています。贈与税の不安なく、安心のお取引を実現します。ぜひご利用ください。
4.買主様の信用状況
もちろん、買主様ご自身の収入や勤務状況、これまでの借入履歴なども審査に大きく影響します。個人売買の場合、通常の取引以上に厳格にチェックされる傾向がありますので、事前にご自身の信用状況を整理しておくことをお勧めいたします。これらの問題を避けるためにも、個人売買であっても私たちのような不動産の個人売買を得意とする専門家のサポートを受けることが成功への近道といえるでしょう。
仲介手数料は不要?費用が発生するケースとは
個人売買でも費用が発生する場面とは
不動産の個人売買の手続きをすべてご自身で進める場合は、仲介手数料は不要です。ただし、専門的なサービスを利用する場合は費用が発生します。たとえば住宅ローンを利用する場合、金融機関が重要事項説明書の提出を求めるため、不動産業者への依頼が必須となり、この場合は相応の仲介手数料が必要です。
仲介手数料以外にも報酬が発生する場面があります
その他にも売買契約書の作成を不動産業者や行政書士に依頼する場合も費用が発生し、法的な不備を避けるために多くの方が専門家に依頼しています。
所有権移転登記については司法書士への依頼が一般的で、これも必要経費として考える必要があります。また、物件の調査や測量が必要な場合、土地家屋調査士や測量士への依頼費用も発生します。これらの費用は仲介手数料と比較すると安価ですが、安全な取引のためには必要な投資と言えます。
司法書士・行政書士・不動産仲介業者に依頼する場合の費用目安
司法書士に所有権移転登記を依頼する場合の費用は5~10万円程度が一般的です。ただし、住宅ローンを利用しない現金取引に限られ、融資を受ける場合は金融機関指定の司法書士を利用することになります。行政書士に売買契約書の作成を依頼する場合は3?8万円程度が相場ですが、こちらも住宅ローンの利用はできません。
個人売買専門サポートの活用をご検討ください
近年、不動産の個人売買をサポートする専門サービスが増加しており、これらを活用することで安全性とコスト削減を両立できます。当社「不動産個人間売買サポートPRO」のような専門業者では、個人売買特有のノウハウを活かし、通常の仲介業者では対応が困難な親子間売買や元夫婦間売買なども積極的にサポートしています。専門サービスの利用により、法律トラブルの回避、適切な書類作成、住宅ローンの利用サポート、登記手続きの円滑化などが期待できます。
当社の不動産個人売買サポートでは、契約書作成のみのシンプルなプランは5万5千円(税込)、住宅ローン利用を含む包括的なサポートは売主・買主合わせて33万円(税込)からご提供しています。一般的な仲介手数料と比較して大幅にコストを抑えながら、安全で確実な取引を実現できる点が大きなメリットです。加えて全国対応やオンラインでの重要事項説明なども提供しており、遠方の取引でも安心して利用できる体制が整っています。費用は一般的な仲介手数料より大幅に安く、安心感も得られるため、多くの方に選ばれています。ぜひご利用ください。
不動産個人売買でよくあるトラブルと注意点
瑕疵(欠陥)の問題
不動産の個人売買で最も多いトラブルは、物件の瑕疵(欠陥)を巡る問題です。引渡し後に雨漏りやシロアリ被害、給排水設備の不具合などが発見され、修繕費用の負担を巡って争いになるケースが頻発しています。対処法としては、契約書に契約不適合責任の範囲と期間を明確に記載し、引渡し前の物件検査を徹底することが重要です。
よくある瑕疵に関連したトラブル例
- 物件引き渡し後に雨漏りや屋根の損傷が発覚した
- シロアリ被害・腐食が判明し、その修繕費用の責任問題へ発展
- 給排水設備の不具合による
- 電気設備の故障
- 基礎部分のひび割れ
これらの問題が引渡し後に発見されると、修繕費用の負担を巡って大きな争いに発展することが珍しくありません。知人同士の取引だからこそ、事前の取り決めが曖昧になりがちで、トラブルが長期化する傾向にあります。
コミュニケーション不足による問題
個人間の取引では「親しい仲だから」という理由で、重要な事項を口約束で済ませてしまうケースが多く見られます。しかし、これが後々の大きなトラブルの原因となります。知人同士の取引では口約束で済ませがちですが、「言った・言わない」といったコミュニケーションの齟齬は大きな問題に発展しやすいです。この問題を防ぐためには、すべての合意事項を書面に残すことがトラブル防止の基本です。
「言った・言わない」で起こる問題でよくあるケース
- 物件代金の支払い期限の未設定により金銭トラブルが発生した
- 設備の不具合に関する事前説明がなく、修繕費用について揉めた
- 想定以上の修繕が発生してしまい、費用の負担範囲が広がってしまった
- 引渡し時期を決めていなかったため、希望していた時期の引っ越しが叶わずトラブルになった
不動産の個人売買でトラブルを防ぐためにできることとは?
個人売買でのトラブルを防ぐ最も確実な方法は、不動産業者や司法書士などの専門家に相談することです。当社のような個人売買専門の業者であれば、一般的な仲介業者では対応が困難な複雑なケースでも適切にサポートできます。
また、書類の不備を防ぐためのチェックリストの活用も効果的で、必要書類の準備から契約内容の確認まで体系的に進めることができます。売買価格については、近隣の取引事例や不動産鑑定士による査定を参考に適正価格を設定することが重要です。特に親族間売買では贈与税の問題も関わるため、税理士との連携も欠かせません。さらに、取引の各段階で専門家のチェックを受けることで、問題の早期発見と解決が可能になり、安全で確実な取引を実現できます。
不動産を個人売買するケースでは、各種費用の節約を目的に各種専門家への相談を避ける傾向がありますが、その分リスクが高くなることは念頭に置いておきましょう。当社の場合は個人売買専門の割安なプランをご用意していますので、お見積りだけでもぜひご相談ください。
まとめ
不動産の個人売買を成功させるためには、まず書類や契約内容をしっかりと整えることが最重要です。売買契約書、重要事項説明書、各種証明書類などに不備があると、後々大きなトラブルに発展する可能性があります。
不動産の個人売買は確かにコスト削減のメリットがありますが、専門知識が不足している場合のリスクも相当に高いのが実情です。すべてを専門家に依頼する必要はありませんが、重要事項説明書の作成や住宅ローンの手続きなど、一部だけでも専門家に依頼する選択肢もあります。万が一のトラブルや予想外の費用負担を避けるためには、取引開始の初期段階から専門家の意見を仰ぐことが最も安心です。
当社では20年以上の不動産業界経験を持つベテランスタッフが、個人売買特有のお悩みに対して具体的なアドバイスを提供しています。他社で断られた難しいケースでも対応可能ですので、個人売買をご検討の際はぜひお気軽にご相談ください。