住宅ローンの審査時、マイカーローンが残っていると審査に落ちる?

人生において、大きな買い物ともいえるマイホームとマイカー。

マイナス金利の導入以来、金利水準が低い状態が続いていることもあってマイカーローンを返済しながら、マイホームの購入を検討している方も多いかもしれません。

マイカーローンと住宅ローンは併用できないわけではありませんが、マイカーローンの残債があることは住宅ローンの審査において不利に働く恐れがあるため注意が必要です。

今回の記事では、マイカーローンの残債が残っている状態で住宅ローンの利用をしたいと考えている人に向け、覚えておいてほしいことをまとめてみました。

不動産個人間売買サポートPRO・コラム担当:織瀬ゆり

娘と息子を子育て中のママライター。某信託銀行を退職後、個人事業主(フリーライター)として独立。在籍時代は主に、住宅ローン業務のほか融資関係ならびに単元未満株式をはじめとした株式事務を中心とする業務に従事。AFPや宅建士をはじめとして複数の資格を取得しており、初心者でもわかりやすい記事執筆を心がけています。

マイカーローンの残債があると不動産は買えない?

結論から言えば、マイカーローンの残債があっても不動産の購入は可能(=住宅ローンの借入は可能)です。

いずれのローンも「融資限度額は年収の3分の1以内」とする総量規制の適用対象外とはなりますが、借入上限がないわけではなく「年収に対するローン返済額が一定割合を超えてはいけない」という制限があります。

この制限のことを「返済比率」といい、住宅ローンとマイカーローンを併用する際は注意しなければなりません。

返済比率とは

先に述べたように返済比率とは「年収に占める返済額の割合」のことで、以下の計算式によって求められます。

返済比率(%)= 年間返済額 ÷ 額面年収(総支給額) × 100

仮に、額面年収500万円の人が年間返済額120万円(毎月返済額10万円)でローンを組むとすると、返済比率は24%となります。

金融機関はさまざまな観点から住宅ローンの提供を検討しますが、検討項目のひとつに上記で求められた返済比率が含まれています。

ここでは例として、2021年4月現在の「フラット35」の基準を挙げてみました。

年収 400万円未満 400万円以上
返済比率基準 30%以内 35%以内

注意点としては上記の返済比率基準とはあくまで基準であり、無理なく返済できる値を示しているわけではありません。

先ほどの例でいえば、年収500万円の人がフラット35における返済比率上限である35%まで借り入れると、年間返済額は175万円になります。

単純計算でひと月あたり14.4万円を住宅ローンに充てなければいかないことになり、年収から考えてもなかなか苦しい状況だといえるでしょう。

そのため、現状と照らし合わせて無理なく返済ができるプランを組むことが大切です。

またフラット35ではなく一般の住宅ローンを金融機関で借り入れる場合、金融機関ごとに返済比率が異なるため、前もって確認しておくようにしてください。

なぜ銀行はマイカーローンの残債を気にするのか

マイカーローンの残債がある状態で住宅ローンに申し込んだ場合、まず銀行はマイカーローンにおけるこれまでの返済状況を確認します。

その時点でマイカーローンの返済に遅延や滞りがあれば、支払い能力に不安があると判断され、希望する金額で住宅ローンを借り入れることが難しくなります。

また、マイカーローンと住宅ローンの両方を借り入れた際の返済比率が高くなると、長い期間の返済になんらかの支障が生じる可能性があると判断されても不思議はありません。

住宅ローン申込み時にマイカーローンの残債があるデメリット

マイカーローンを既に借りている人は、住宅ローンの借入可能額に影響が出る可能性があることは先に述べた通りです。

では、マイカーローンがある場合に借入限度額はどの程度変わってくるのでしょうか。

ここでは先ほどのフラット35の例をもとに、毎月一定のマイカーローンがある場合とない場合でその差を見ていきましょう。

前提条件

  • 年収:500万円
  • 融資金利:1.3%
  • 返済期間:30年
  • 返済方法:元利均等
  • 金利タイプ:全期間固定金利
毎月の返済額 借入可能額
マイカーローンなし 14 .6万円 4 ,345万円
マイカーローンあり 18.6万円
(内4万円がマイカーローン)
3,153万円

上記を見てもわかるように、マイカーローンがあるかないかで借入可能額に約1,200万円近い差が生じています。

今回はマイカーローンだけを考慮しましたが、もし他にもローンを抱えていた場合にはさらに借入可能額が少なくなることを覚えておいてください。

また、上記は返済比率が35%以内で計算されていますが、実際に無理なく返済を続けていくためには返済比率を20~25%程度に抑えるのが理想とされています。

マイカーローンがあるけど、不動産を買いたいときはどうすればいい?

では、「マイカーローンがあるけれど、不動産を購入したい!」と考えている場合はどうしたらよいでしょうか。

結論としては借入可能額を増やす、つまり住宅の購入予算を少しでも希望額に近づけるために住宅ローンの申請前にマイカーローンを返済し終えてしまうことをおすすめします。

マイカーローンの返済比率は住宅ローンよりも高く設定されていることが多く、先に返済を終えることで月々の返済負担額を減らせるでしょう。

なお、マイカーローンを金利の低い住宅ローンの中に組み込みたいと考える方もいるかもしれませんが、そもそもの用途が異なるため2つのローンをまとめることはできないので注意してください。

まとめ

今回は、住宅ローンの審査時にマイカーローンの残債が残っている場合の留意事項についてお伝えしました。

マイカーローンの残債があっても住宅ローンの借入は可能ですが、借入可能額が減るなどいくつかの点で注意が必要となります。

目先の返済比率だけに捉われず、現状の資金計画を今一度見直し無理のないローンを組むようにしましょう。

この記事が少しでも参考になっていたら、幸いです。

関連記事